完全成功報酬での被害

他のところでも書いているように、もともと、「完全成功報酬」という料金プランは、当社が業界で最初に導入したものですが、正直、「完全成功報酬」という名前で、ここまで悪用の手口が出てくるとは思いませんでした。

中には、本来の趣旨である
「証拠が取れなければ、いかなる理由があろうとも料金がかからない」
という「完全」な「成功報酬」で真面目に調査を行う探偵社さんもありますが、トラブルとして報告された事例を聞くと
「こんな方法があったのか」
と逆の意味での「コロンブスの卵」を発見したような嫌な気分になります。

今回は、トラブルの元になっているという報告者からの相談をまとめ、体系別に分類した手口を公開します。

当社としても、こういった被害が出る事は、まったく予想していなかっただけに、非常に残念です。

手口1: いつまで経っても結果を出さない

失敗すれば返金という条件で調査料金を先に受け取っておき、契約後に依頼者から問い合わせがあっても

「まだ調査中ですから」
「まだ調査中ですから」

とやりすごす手口です。

これで、調査しなくても期間を引き延ばし続けていき、結局は依頼者への返金をしなくて済むというわけです。

当興信所に報告が来たケースでは、1年以上経っても結果が出ず、相手の探偵社からは、まったく経過報告がなく、依頼者が電話しても、
「今調査中です」

と言ったきりで、調査について具体的な状況を聞こうとしても
「完全成功報酬ですので、調査の経過は一切お知らせできない」

という、ふざけた回答でした。

この手口を使うのは、まともな調査ができない、かなり程度が低い探偵社だと思いますが、依頼者からの防御法としては、契約書に「調査期間」を書いてもらい、その期間内に証拠が取れなければ、自動的に調査が失敗するという方法がありますが、怪しそうだと思ったら、最初から依頼しない方が無難です。

手口2: 詐欺まがいの理屈をつける

本来の完全成功報酬というのは「調査が成功しない(=浮気の証拠が取れない)場合は、理由を問わず全額返金」する契約です。

ところが、被害が報告されたケースでは、契約時には、

「証拠が取れなければ料金はいりません」

と言っていたのにもかかわらず、
「証拠は取れませんでしたが、対象者が浮気をしていなかったので成功です」

などと、とんでもない理屈を持ち出して料金を全額徴収したケースがありました。

「浮気をしている」のを証明する事は可能ですが、「浮気をしていない」のを証明するのが不可能である事は、プロでなくとも判るかと思います。

これだと、その探偵社が調査に失敗しても
「浮気をしていませんでしたよ」

と依頼者に言えば料金をすべて取れる事になります。

これでは、まったく完全成功報酬の意味がありません。
相談された方にも、その点を指摘したのですが
「その時は、気が動転してたのであまり冷静に考える事ができなかった」

という事だそうです。

「冷静に考える事ができない」状態で被害にあうというパターンは、完全成功報酬に限らず、よくありますが、非常時こそ冷静さが必要です。

手口3: 客寄せだけのために完全成功報酬を用意する

最初から成功報酬で調査する意志がまったくないのに、ホームページなどで「完全成功報酬」と宣伝し、客を集める方法です。

そうして相談しに来た依頼者に対し、

「今回は成功報酬では無理ですけど通常のプランなら調査できますよ」

と誘導していき、結局は失敗しても返金にならない方法で契約を結ばせるケースです。

こういったケースには、
「電話のみで完全成功報酬が可能かどうかを教えてください」

と問い合わせてみる事で対策ができます。

ご相談者の大体の状況を伝える事で、完全成功報酬が可能かどうかを電話で判断してもらう方法です。

また、たとえ、その回答で「できます」と言ったのにも係わらず、来社時に「完全成功報酬」ではないプランを持ち出してくるようであれば、その場で、すぐに席を立てば良いでしょう。

まともな探偵社であれば、適当な事を言ったり、嘘をついたりする事はありませんので、比較的対処が楽なパターンだと思います。

手口4: 料金がどんどん加算されていく。

完全成功報酬プランの場合は、通常の調査と比較して、定額料金でないと、ご依頼者にとって非常にリスクが高くなります。

当社に報告されたケースでは、契約時に、

「浮気の証拠があがらなければお金はいりません、浮気の証拠が挙がれば、あなたも慰謝料がもらえるでしょうから、絶対に損はしないですよ」

と言われ契約したそうですが。

まったく浮気の証拠が挙がらない状況で、調査を行う毎にどんどん料金が膨らんでいくので、怖くなった依頼者が、途中でキャンセルを申し込んだら
「お客様の都合でのキャンセルなので、今までかかった料金を全て払え」

と言われたというケースがありました。

調査を継続する度にどんどん料金が青天井になっていくというのは、お客様の立場から考えると怖いものがあります。

また、この相談者の証言では、対象者の浮気の頻度が高いのにもかかわらず、あえて浮気があった日に調査をいれなかったり失尾したりしてましたので、故意に調査を引き延ばした可能性が非常に高いケースです。

証拠が取れそうになっても、わざと調査を引き伸ばして、どんどん金額を吊り上げるというパターンは、この業界では、古典的な手法なのですが、「完全成功報酬」を使う事によって、金額が増加していっても、途中で調査を止め辛くなるという心理をうまくついてます。

「完全成功報酬」の最大のメリットである「定額制」は、悪質な探偵社による「引き伸ばし」ができないという点は知っておいた方が良いでしょう。

手口5: 成功条件が曖昧である

今回のケースは、「証拠にまったくならないような映像」や「異性と一緒に歩いているところ」を撮影しただけで、「調査成功です」といって成功報酬金を取るような手口です。

このようなトラブルを避けるためには、
「対象者と女性がラブホテルの出入り口から出てくる所を、写真もしくは、ビデオで撮影……」
など、具体的な条件を設定する必要があります。

そして、その具体的な条件を必ず、契約書に記載してもらう必要があります(同じものを2部作成し、必ず1部は自分で保管するようにして下さい)。

通常、「完全成功報酬」の証拠というのは、裁判や調停の資料として使えるレベルの証拠が原則です。
この一番重要な、「成功条件」をわざと曖昧にしたまま契約させようとする探偵社があるため注意が必要です。


以上、各手口について、対策法を書いてみましたが、なにか新しい手法が出ると、それに対して、いろいろな悪用手口が出るという実態を見ると
「人間の知恵は凄いなあ」
と変なところで関心してしまいます。

その知恵を他に活かせば、依頼者の方とわざわざトラブルを起こす必要もないのではと思いますが、実態はそうでもないようです。
一つ一つの手口を知ったとしても、他の新しい手口が出てくると、なかなか対処は難しいでしょう。

一番重要なのは、探偵社の相談員がどれだけ愛想が良く、人の良さそうな人だったとしても、不明な点は、できるだけ質問して下さい。
可能なら質問リストを作ってから来社しましょう。
相手が気を悪くするのでは?という心配は不要です。
もちろん、相談員だって人間ですし、これを書いている私も、質問攻めにされると、気分を害する事もあります。

ただ、探偵の調査料金は、決して安くはありません。
安いと自認する探偵社(当社?)でも、世間の相場観から見ると、結構高いのです。
是非、契約は慎重に行って下さい。

※上記の記事は、Akai探偵事務所によって書かれています。

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