結婚調査の探偵トラブル事例



未熟な結婚調査が二人の破局を招いた

同棲中の男性との結婚を本格的に意識してきたI子さん。だがI子さんには、すぐ結婚を切り出せない事情があった。過去に付きあっていた別の男性とも結婚寸前だったが、ギリギリになって既婚者であることが発覚し、トラウマになるほどの破局を経験していたからだ。

今度こそは身辺のきれいな男性だという確証を持ちたい。そう考えたI子さんは結婚調査を探偵へお願いすることにした。

結婚調査を扱っている探偵社をインターネットで探して相談に行くと、

「ウチの調査員はベテラン揃いですから安心してください」

と言われ、交際相手の調査を依頼した。

しかし結果として、この依頼は誤りだった。契約を終えてしばらく経ち、まだ報告を受けていないとき、彼氏から強い口調で責められたのだ。

「お前、探偵を雇って俺のまわりを調べさせてるだろ」
「会社にまで電話してきやがって!上司に誤解されて呼び出し食らったんだぞ」

なんと、依頼した探偵社は、簡単に発覚してしまう方法で結婚調査をしていたのだ。本人にこそ直接アプローチはしていないが、現在の職場、SNSでつながっている友人知人、依頼した時に教えた母校の卒業生にまで、堂々と聞き込みをしていたという。

ベテラン探偵がこんなミスをするのだろうか、それとも結婚調査というのは本来こういうものなのだろうか?

困惑したI子さんが探偵社に問い合わせると、驚くような答えが返ってきた。

「結婚調査はほとんどやったことないですが、この方法で大丈夫と思いました」
「ウチの調査員は浮気調査のベテランです。結婚調査が得意とは言いませんでした」
「たぶん他の探偵社も、似たような調査やってるんじゃないですかね」

ようやくI子さんは依頼する探偵社を間違えたことを悟ったが、もう手遅れだった。

本気で将来を考えていた彼氏は、無神経に周囲を嗅ぎ回っていたI子さん(実際は探偵だが)に怒りと不信感を強め、同棲を解消したばかりか、しばらく距離を置こう、と言って連絡すら拒否するようになったのだ。

結局、電話もLINEも無視される状況が長く続き、自然消滅に近い形で二人の関係は終わりを迎えた……。

このケースの要点!

探偵が扱う調査のカテゴリは多彩ですが、おおむね浮気(素行)調査・人探し調査・盗聴発見調査の3つが上位を占めます。

これは別の言い方をすれば、

「それ以外の調査(結婚調査)にどれだけ精通しているかは、探偵社によって大きく変わる」

ということになります。

依頼者の立場からは「ろくに経験もない調査をできるなんて宣伝しないでくださいよ」と言いたくなりますが、誠実な探偵社ばかりとは限らないのが実情です。

I子さんの不幸なところは、慣れていないカテゴリの調査を依頼してしまったのに加え、それが結婚調査だったことでしょう。

もちろん浮気調査も対象者にバレるのは厳禁ですが、結婚調査はそれ以上に発覚するのがNGです。なぜならパートナーにとって「結婚を考えているほど愛した人が、まさか自分を疑って調べ回っているとは!」というショックが大きいからです。落ち込むだけならまだしも、その事実に怒りをおぼえ、今回のケースのように破局まで至ってしまう場合もあります。

たとえ探偵社が結婚調査をサービス範囲に含めていたとしても、それが本当かどうか、どんな段取りで調査を進めていくのか、今までどのような調査実績があるか、依頼前にしっかり確認しましょう。

パートナーの信用調査をする前に探偵社の信用を調べないといけないのは面倒に思えますが、いい加減に済ませると大変な事態を招くおそれがあります。結婚は人生を変える一大イベントですから、良い調査をしてくれる探偵社を選んでください。

この失敗談から学ぶこと

  • すべての探偵社が、結婚調査に慣れているわけではない
  • 結婚調査は相手に気づかれないよう、慎重に進める必要がある
  • 依頼前に具体的な調査プラン、これまでの実績などを聞いて、結婚調査トラブルを避けるべき


“結婚しても大丈夫”と報告されたはずが…?

還暦をすぎたJ男さんは、歳をとってから授かった娘を誰よりも大切に思っていた。やがてその娘が成長して、誠実そうな男性を終生のパートナーにしたいと打ち明けてきた時は、心の底から喜んで幸せを願った。

そのまま結婚を祝福するだけでも構わなかったが、念のためJ男さんは結婚調査をしておくことに決めた。やましい部分がなにもなければ良し、もし重大な問題があった場合は、それを材料に娘と話し合おう。そのくらいの認識だった。

電話帳で地元の探偵社を選び、薦められるまま結婚調査を依頼。調査のプランはすべて担当者に任せることにした。しばらくしてから報告書が届いた。素行調査の部分には写真もビデオもなく、会社から出てきた時刻や帰宅時刻が書かれているだけのシンプルなものだった。

「経歴詐称なし。素行・評判とも問題なし。周囲とのトラブルなし」

やっぱりプロに調査を頼んで正解だった。これで安心して娘を送り出せる! ……だが、そんなJ男さんは、娘の結婚から半年も経たないうちに後悔することになった。

結婚相手が、実は暴力やモラハラを繰り返す乱暴な男で、ギャンブルや浪費癖、風俗通いの趣味まであるというのだ。職業にも偽りがあり、正社員ではなく非正規として仕事を転々としていた。

こうした事実を目の当たりにしたJ男さんは、結婚調査に不備があったのではないかと、探偵社に連絡を入れた。

「報告書に書いた通りで間違いはありません」
「ウチが調査した時点では、なんの問題もない人物だったはずです」
「結婚後に人格が急変する男性もいますからねぇ。運が悪かったのでしょう」

当時、あれほど親身になって相談に乗ってくれた担当者は、のらりくらりと答えるだけだった。

成人した男性が半年やそこらで急に人格破綻するとは思えない。そもそも職歴に嘘があったし、ギャンブルと風俗通いも5年以上も前から続いているらしい。聞き込みと素行調査まで依頼したのに、事実とかけ離れた「問題なしの結果が出てくるのはおかしい。」

結局、探偵社は最後まで結婚調査トラブルを認めることなかった。J男さんは納得できないまま、多額のお金を払った結果だけが残った。

これから離婚するかどうか娘と話し合い、離婚するなら暴力やモラハラの証拠も集めなければならず、もし相手が離婚協議に応じなければ調停・裁判にもつれこむかもしれない。あまりに多難な前途に、J男さんは困り果てた……。

このケースの要点!

J男さんのケースを見るかぎり、依頼した探偵社の調査能力が低かっただけというより、最初から手抜きの報告書を渡すつもりだった、いわゆる「やらずぼったくり」かもしれません。

探偵が手がける調査は、依頼者の心情によって大きく2つに分けられます。

浮気調査・人探し調査 → 「何でもいいから手がかり、証拠がほしい」

盗聴発見・結婚調査 → 「何もないという結果が出れば一番嬉しい」

まともに調査する気のない悪徳業者にとって、「何も問題はない」と報告するだけで依頼者は満足してくれるのですから、ある意味で結婚調査は騙しやすいカテゴリといえるでしょう。しかも盗聴発見とは違い、現場に依頼者が立ち会わない調査であることも、詐欺的な手口がまかり通ってしまう原因の1つです。

今回のケースの探偵社は、素行調査までプランに含まれていたのに、添付写真やビデオ映像が一切ないというところから、「やらずぼったくり」である可能性が高いと考えられます。

こうした被害を防ぐためには、J男さんのように探偵社に任せきりにしてしまうのは避けるべきです。詳しく調査プランを聞き、どの範囲まで、誰に対して調査を行うか? 相手に調べていることが発覚しないよう配慮してくれるか? のチェックは必須です。できれば報告書のサンプルも見せてもらい、調査した証拠がどんな形で残るかどうかまで確認しておくと、さらに良いでしょう。

また、望み通り

「対象者に問題は1つもありませんでした」

という結果が出た場合でも、逆に疑ってみる注意深さが必要です。結婚相手には清廉潔白であってほしい……そう願う依頼者の心情を、悪徳業者は巧みに利用してきますから。

対象者に気づかれないよう慎重に調べあげ、良いところも不安なところも包み隠さず報告してくれるのが、結婚調査でトラブルを招かない「信頼できる探偵社」と言えます。

この失敗談から学ぶこと

  • 契約前にサンプル報告書などを見せてもらい、調査プランも詳しく聞いておくこと
  • 何も調査せず架空の報告書を出す「やらずぼったくり」の被害に要注意
  • 理想的すぎる調査結果が出たら、逆に疑ってみるべき


※上記の記事は、Akai探偵事務所によって書かれています。

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