興信所はどこまで調べることができるのか、
お答します。

探偵社/興信所の選び方

興信所がどこまで調べてくれるのか、結婚調査を例にとって解説します。
調査できる範囲がどこまでかは、探偵業法によって定められているため、併せて確認してみましょう。
興信所の業務は、探偵業法によってどのようなことを業務として行えるのかが条文で規定されています。

興信所では、浮気などの素行調査や結婚調査、人探しなどの調査をすることができます。

ただし、興信所で調査できる事柄の範囲やその調査手段は、「探偵業法」という法律で規制されています。

具体的にどんなことが調査できるのか、結婚前調査を例に挙げて見てみましょう。


結婚調査で調べられる項目、調べられない項目

興信所は、結婚調査でどこまで調べることができるのか?

結婚調査とは、婚約者の身元に嘘や瑕疵がないかを調べるための調査です。

興信所にもよりますが、大体以下のような項目を調査してくれます。

  • 周囲からどういう評判を得ているか
  • 現在他に異性関係がないか
  • 離婚歴がないか
  • 職歴などに嘘がないか
  • 家族関係は良好か
  • どんな友人と付き合いがあるか
  • 浪費している様子がないか
  • 借金している様子がないか
など

逆に、調べられない、調査できない項目は次のようなものです。

  • 婚約者の一族の出身地
  • 婚約者の戸籍謄本を入手する
  • 具体的な借金の金額
  • 信用情報
  • 預金の金額
など

では、これらの調査できる、できないは、どういった基準で定められているのでしょうか。

次の項目で、その根拠となる探偵業法について解説します。


業務範囲を規定する「探偵業法」とは?

探偵業法とは、探偵業務の運営の適正化をはかるために、必要な規制を定めた法律です。

その中に、探偵の業務範囲に関する規定があります。

探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)第二条

わかりやすくいうなら、「調査対象者の所在や行動を、聞き込みや尾行、張り込みなどの手段を使ってできる範囲で調査したものを報告する」ことが、興信所や探偵の業務範囲ということです。

興信所や探偵の調査業務は、警察や検察のような特別な捜査権限を与えられているわけではありません。

一般の人と同じ法律の下、聞き込みや尾行、張り込みなどの手段を使って法律に抵触しない範囲内で依頼者の必要とする情報を調べることになります。


興信所が取り扱えない調査

興信所が取り扱えない調査

興信所の調査には、守らなくてはならないルールがあります。

そのため、さまざまな調査を行う上で、興信所では取り扱うことができない調査というものもあります。

  • 対象者の個人情報を差別などに利用することが考えられる調査
  • 対象者のストーカー行為を目的とした調査
  • 配偶者からの暴力から逃れている対象者の所在に関する調査
  • その他、法令に違反する、違法な手段による調査

などが挙げられます。

たとえば差別などに利用することが考えられる調査例に、「婚約者の一族の出身地」があります。

特定地域の出身だった場合に、それが原因で結婚の約束を反故にするような可能性があるため、興信所の結婚前調査では、この項目を調べることはできません。

また、依頼人がストーカー行為を目的に対象者の個人情報を探ろうとしている場合や、DV加害者が被害者の居場所を探ろうとしている場合なども、興信所では依頼を受けてはいけません

たとえ依頼人が偽って調査を依頼しても、嘘は調査途中にわかるものです。わかった時点で、興信所は調査を中止します。


法令に違反する、違法な手段による調査

冒頭の結婚調査でも挙げた、

  • 婚約者の戸籍謄本を入手する
  • 具体的な借金の金額
  • 信用情報
  • 預金の金額

は、「法令に違反する、違法な手段による調査」に当たります。
これらの情報は、特定の職業や権限を持つ人にしか取得が許されない情報だからです。

たとえば、戸籍謄本は基本的に本人や委任がある家族しか入手することができません。

また、信用情報や口座情報などは金融機関が保管する情報です。金融機関は顧客情報を第三者に開示することを禁じているため、たとえコネがあったとしてもそれを取得することは違法行為になります。

それ以外にも、対象者の近辺に盗聴器や盗撮カメラを仕掛けたり、対象者が住んでいる家のポストから郵便物を抜き取ったり、 部屋の合鍵を手に入れて、家の中に侵入するなどの方法が違法な調査に該当します。


「別れさせ屋・別れさせ工作」は違法なのか?

最近では、興信所や探偵業者が、恋人や浮気・不倫相手と対象者を別れさせる「別れさせ工作」を行っているケースがあります。

いかにも違法のように見えるかもしれませんが、実は別れさせ工作自体は必ずしも違法ではありません。

ただし、こちらも法に抵触するような手段を使っての工作はもちろん違法になります。

また、この「別れさせ工作」では、公序良俗に反するやり方で工作をするなどして依頼者と興信所の間でトラブルになることが少なくありません。興信所が所属する団体の中には、「別れさせ工作」を自粛するよう呼び掛けてる団体もあります。

そのため、「別れさせ工作」を行っている興信所には注意が必要です。


まとめ

興信所には調べられるものと調べられないものがあることを知っていただけたかと思います。

中には、本来調べてはならない情報も調べられると謳う興信所もあるかもしれません。ですが、そうした興信所は違法業者であり、トラブルに発展することも少なくありません。

興信所では、尾行・張り込み・聞き込みといった基本的な調査手法でも、対象者の情報を十分に調べることができます。

依頼者様の焦る気持ちは理解できますが、調査を違法な行為で行う興信所に依頼をしないよう注意してください。


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